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◆「視床痛」広がる痛み [脳出血]

「視床痛」広がる痛み 薬で軽減しリハビリを


 【質問】54歳の夫のことでご相談します。5年前に脳出血で倒れ、左視床出血で右まひがあります。足も手も動きますが感覚がありません。なんとか歩けますし、右利きから左手でできるよう訓練しました。ところが最近、右顔面、右上肢、右下肢に痛みやこわばりがでてリハビリが進まなくなりました。退院後も痛みやこわばりは増す一方です。視床痛は、この先ひどくなるのでしょうか? リハビリを継続させるべきなのでしょうか?               (福井市・47歳女性)


 【回答】脳出血で倒れ、右半身のまひやしびれなどが後遺症として残り、日常生活などについて大変ご苦労されたことと思います。歩けるようになるまで回復されたことに、ご夫婦の努力の跡がうかがえます。

 視床痛というのは、脳梗塞(こうそく)や脳出血などの脳卒中によって、脳の視床という部分が障害され、出現する痛みのことを言います。脳卒中を発症してから、数週から数カ月してから出現すると言われています。

 視床の役割の一つに、手や足などで感じる痛みや熱さなどの感覚を大脳に伝える際の中継点という大切な役割があります。視床が障害されると痛みや熱さが分かりにくくなることのほかに、持続性かつ発作性の激しい痛みを訴えることがあります。この痛みを視床痛と言います。

 痛みの性質として、触れることにより起こる痛みや不快な異常感覚を伴った痛みなど、さまざまなタイプがあります。食欲や意欲を低下させ、睡眠不足になったりするなど、リハビリを続けるうえで大きな妨げになります。痛みが10年以上も続いている人もいらっしゃいます。

 視床痛についてはさまざまな治療法が試みられていますが、満足がいく除痛効果が得られることはなかなか難しいようです。ただ、最近は薬もいろいろあり、以前と比べますと、痛みは消失しないまでも、軽減する人も少なからずいらっしゃるようです。一般的な痛みに用いる痛み止めはあまり効果が期待できません。

 抗うつ薬、抗けいれん薬などにより、痛みが軽減するようです。外科的治療としては、手術や電気刺激療法などがあります。

 以上のような治療により、少しでも痛みが和らげば、リハビリもでき、こわばりやまひなどの症状についても回復し、現在の状態が少しでも長く維持できると思います。

 リハビリについては、ぜひ続けてください。脳卒中を発症して間もないのであれば、回復期リハビリ病院へ転院して十分なリハビリをすること、退院後は、訪問リハビリ、通所リハビリなどを利用して現状を維持することをお勧めします。また、何よりも大切なのは、ご家族や周囲の方が患者さんの苦痛を理解することや、患者さんを支援することであると思います。

 脳卒中後に出現した痛みでお困りの人は、脳神経外科医、神経内科医のいる施設を受診されることをお勧めいたします。

―林浩嗣 県済生会病院神経内科医長―

(福井新聞・ドクター相談室記事より)


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