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◆脳外傷―見逃しの背景 [脳外傷]

見えない脳外傷―画像偏重―見逃しの背景
 
Q&A
 軽度外傷性脳損傷について、患者会の顧問を務める湖南病院院長の石橋徹さんに聞きました。


 ――軽度外傷性脳損傷とは、どんな病気ですか

 脳内では、様々な情報が軸索という神経線維を通って、やりとりされています。交通事故、転倒、スポーツなどで頭部に衝撃を受けて、この軸索が傷ついた状態と考えられます。

 けがをした時の意識障害の程度により、軽度、中等度、重度に分類され、欧米では7~9割が軽度とされています。

 軽度外傷性脳損傷の多くは3か月~1年で回復しますが、WHO(世界保健機関)の報告では、患者の約30%が様々な症状に苦しみ、CDC(米国疾病対策センター)の報告では、9%の患者が1年後も社会復帰できないと言います。

 ――症状は?

 〈1〉記憶力や理解力が衰える〈2〉根気がなく、怒りっぽくなる〈3〉失神やけいれんを起こす
〈4〉においや味を感じにくくなる〈5〉見えにくくなったり、聞こえにくくなったりする〈6〉手足がまひして、ひどい時はつえや車いすが必要になる〈7〉尿や便が漏れる――などです。

 ――課題は何ですか

 軽度外傷性脳損傷は、脳の損傷が小さな軸索にとどまるため、脳内出血が起こらない限り、CT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)検査などで損傷を確認できません。このため、「問題はない」「心の病気ではないか」などと放置されがちです。

 労災認定では、画像診断で異常があることが重視されます。このため仕事ができないほどの症状に悩んでいるのに認定されず、生活が困窮する患者もいます。

 ――診断基準はあるのですか

 WHOが2004年に提唱した基準があります。
〈1〉けがをした後の意識の混迷または見当識障害(季節や場所など自分の置かれている環境を理解できない)〈2〉30分以下の意識喪失
〈3〉24時間以内に元に戻る健忘症

――のうち、いずれか一つ以上に該当する場合。または、けがをして30分後か医療機関に搬送後の意識レベルが、「ほぼ軽度の意識障害」に該当する場合です。

 日本には診断基準がありません。しかし、10年4月の参議院厚生労働委員会で、長妻厚労相が「持続する頭痛、記憶障害などの症状が表れる疾病であると承知している。診療ガイドラインや診断基準を作る必要がある」と発言しました。

 ――日本の医療に、何が足りないのでしょうか

 WHOは07年、外傷性脳損傷を、「静かなる、そして隠れた流行病」だとして、関係機関に対策を勧告しました。ところが日本は、この病気に対する認識が低く、対応が遅れています。

 検査データを重視し、患者を診ない画像偏重主義が、この病気を見逃す背景にあります。患者の苦しみと社会的損失は甚大で、対応が急がれます。(佐藤光展、坂上博)

★石橋 徹:慶応大医学部卒。専門は整形外科。国立病院機構東京医療センターなどを経て現職。湖南病院院長 

(読売・医療大全記事より)

◇画像診断に現れなくても、患者さんを総合的にみていくことが大切ですね。


タグ:脳外傷
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◆見えない脳外傷―ホルモン減少で倦怠感 ―/ [脳外傷]

見えない脳外傷―ホルモン減少で倦怠感 ― 

東京都の30歳代の看護師A子さんは2004年、バイクで訪問看護に行く途中、車にはねられ、頭を道路で強く打った。

 体に大きなけがはなく、頭部のCT(コンピューター断層撮影法)検査でも異常はなかったため、すぐに仕事に復帰。しかし事故以来、ひどい頭痛に加え、抑うつや意欲低下、倦怠感などに苦しんだ。集中力を維持できずにボーッとしてしまい、看護記録を書くのに何時間もかかるようになった。

 「事故のショックではないか」と考え、精神科を受診。生死にかかわる恐怖体験が引き金で起こる心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、カウンセリングや、抗不安薬などの薬物治療を受け始めた。

 ところが精神的な症状は一向に改善せず、看護の仕事を続けられなくなった。

事故から2年後、A子さんは軽度外傷性脳損傷と診断された。今も症状に悩まされている。

 軽度の脳損傷で、抑うつや集中力低下、気分の激しい変動などが表れることがある。
しかし、画像検査で異常がないと、PTSDやうつ病などと診断されることが少なくない。
理由は十分には解明されていないが、脳下垂体が傷つくと、ホルモンの分泌が減少し、意欲低下などにつながることがわかっている。

 
 神戸大病院糖尿病・内分泌内科講師の高橋裕さんは「下垂体は脳の下部にぶら下がっているため、頭部に衝撃を受けると激しく揺さぶられ、損傷しやすい」と指摘する。

 兵庫県の40歳代の大工の男性は、2階の屋根から転落して以来、意欲低下や倦怠感で仕事ができなくなった。精神科などを何か所も回ったが改善せず、同大病院を受診。血液検査などで、下垂体の働きが低下していることがわかった。下垂体ホルモンの刺激で分泌される甲状腺ホルモンなどを薬で補う治療のおかげで、症状は回復した。

 下垂体が関係するホルモンは多くあるが、「外傷による脳損傷では、成長ホルモンが低下するケースが目立つ」(高橋さん)という。この場合、患者が毎日、成長ホルモンの自己注射を続ける必要がある。

下垂体機能低下症が09年に国の難病(特定疾患)指定を受けたことで、治療費の患者負担は軽減された。

 ※高橋さんは「事故をきっかけに精神的な不調が続く場合は、内分泌科で下垂体の詳しい検査を受けてほしい」と話す。
(読売・医療大全記事より)

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