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◆見えない脳外傷 [軽度外傷性脳損傷]

見えない脳外傷 CT 「異常なし」で見逃す!

 横浜市の古い県営住宅。Tさん(39)の部屋はクーラーが壊れ、暑さと湿気でむせ返るほどだ。

 6年前まで建築現場で働き、月30万円以上の収入があった。現在はこの部屋に移り、生活保護で細々と暮らす。不況で失業したのではない。仕事中の事故で健康と職を失い、十分な補償も受けられぬまま、体の不調と厳しい生活にあえいでいるのだ。

 左足のまひのため歩行が困難で、体を動かすと痛みが増す。外出を控え、1日の大半をトイレ近くの板の間で過ごす。膀胱の障害で頻尿が続き、就寝時もそこを離れられない。身を横たえる座イスはすり切れ、中綿がなくなりペシャンコになった。だが、買い替える余裕はない。

 「希望を持たないとつぶれてしまう。この子たちが心の支えです」。生まれて間もない2匹のウサギを、まひした左腕で抱きしめた。

 Tさんの障害は、軽度外傷性脳損傷によるものだ。交通事故や労災事故などで頭部に強い衝撃を受け、意識を短時間失ったり、もうろうとなったりした人の一部に起こる。嗅覚障害、視野狭さく、難聴、頻尿、てんかん発作、手足のまひなど、様々な症状が表れる。

 だが、正しい診断がつくまでの道のりは簡単ではなかった。

 事故が起きたのは、2004年秋。建築現場でソフトボール大の岩が頭部を直撃した。約5メートル上の造成地にいた元請け会社の役員が、何気なくけった岩だった。ヘルメットをかぶっていたが、あたった瞬間、衝撃で体がガクンと沈み込んだ。文句を言おうと歩き出した瞬間、意識を失い倒れた。

 その場に寝かされたまま、30分弱で意識は戻ったが、ひどい頭痛やめまいがあり、同僚の車で近くの病院に行った。奥歯が2本折れていたが、頭や首のCT(コンピューター断層撮影法)には異常が見つからず、医師は「むち打ち」と診断した。

 ところが、体調は日に日に悪化し、「血管を熱湯が流れるような激痛」が、左の手足を襲った。3週間分の痛み止めは、いつも数日でなくなった。市販薬を買うしかなく、薬代が10万円を超えた月もあった。

 口が滑らかに動かず、言葉がたどたどしい。飲食物の味や熱さがわからず、物が二つに見える――。
懸命に症状を訴えたが、画像検査では異常がない。「むち打ち」との診断は変わらないまま、月日が流れた。

 【軽度外傷性脳損傷】 外部からの衝撃で、脳の神経細胞をつなぐ線維が断裂するなどの細かな損傷が広範囲に及んだ状態と考えられている。重度の外傷と違い、画像に異常がないことが多く見逃されやすい。世界保健機関(WHO)は2004年に診断基準を定めた。

(読売・医療大全記事より)

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