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◆てんかん治療 迷走神経 刺激療法 [脳神経]

迷走神経 刺激療法… 体内に電極 てんかん抑制

 けいれん発作などを起こす「てんかん」の治療は、飲み薬が中心だが、薬で症状を抑制できない患者もいる。
こうした患者に対し、体内に埋め込んだ電極で首の神経を刺激し、発作の抑制を狙う「迷走神経刺激療法」が、
今年7月、新たに保険適用になった。(高橋圭史)
 

◆難治患者が対象 7月から保険適用 

 てんかんは、電気信号のやりとりで情報を伝えている脳神経のバランスが崩れ、一時的に過剰な電気信号が流れることで、けいれん発作などを起こす病気。国内の患者数は約100万人と言われる。

 東大病院脳神経外科准教授の川合謙介さんによると、患者の約7割は、適切な薬物治療によって、発作をほぼ抑えられるが、残りの3割は薬では発作のコントロールが難しい。

 難治患者に対しては、脳の異常な信号を発する部位が一部に限られる場合は開頭手術も選択肢だ。ただし、効果が出なかったり、悪化したりするケースもあるうえ、まれに言語障害やまひなどを招く危険もあり、手術に踏み切るか、当事者が悩む場合も少なくない。また、異常な信号を発する部位が脳全体に広がるタイプは手術の対象にならない。

 新たに保険適用になった「迷走神経刺激療法」は、こうした難治患者が対象。欧米では1990年代から用いられてきた。

 「迷走神経」は脳と内臓を双方向に結ぶ神経で、左右に一対ある。この治療では左の迷走神経の首付近に電極を巻き付けて電気刺激を加える。この刺激が迷走神経を通じ脳に伝わると神経活動を安定させ、発作の軽減が狙えるという。

 電池を内蔵した電気信号発生装置は横4・5センチ、縦3・2センチ、厚さ7ミリ。手術で、左胸の皮下脂肪の下(筋肉の上)に埋め込む。首の迷走神経に巻き付ける電極はリード線でこの装置につながっている。

 手術2週間後から電気刺激を開始。最初は5分間隔で30秒間刺激するが、患者の状態に合わせ、徐々に刺激のペースと強さを増していく。刺激の調節は医療機関で行うが、装置を埋め込んだ胸の上に専用機器を近づけ、電磁波を送って設定変更する。

 効果には個人差がある。米国で行われた臨床試験では、発作が半減する患者の割合は、治療1年後は37%、2年後は43%超。時間がたつにつれて、効果が増してくる傾向もある。川合さんは「『発作が大幅に減る』『まずまず減る』『全く減らない』が、ほぼ3等分される感じ」と話す。

 電気刺激が迷走神経以外の近くの神経に及ぶこともあり、副作用のかすれ声を治療1年目に28%が経験するが、3年後には2%に減る。「開頭手術に比べれば、重い副作用の危険はなく、副作用が強ければ電気刺激を中止することも可能」(川合さん)。ただし、12歳以下を対象にした厳密な臨床試験データがあるわけではないので、厚生労働省は、子供に対しては全例経過観察するよう求めている。

 手術の傷は、首の左前側3~5センチと左わきの下5センチで、手術時間は2時間ほど、入院期間は4日程度だ。今年7月から保険がきくようになり、3割負担では75万円だが、高額療養費制度を申請すれば、世帯所得が年600万円を超えない一般区分では約10万円に負担を減らせる。電池が4~7年で切れるので、治療を継続する場合、装置交換の手術が必要になる。

(読売・医療大全記事より)


☆川合 謙介(かわい けんすけ) 東京大学准教授

専門分野:てんかんとその外科的治療、機能的脳神経外科、脳神経外科手術一般

ホームページ:難治性てんかんの手術治療(http://plaza.umin.ac.jp/~kenkawai/

資格:日本脳神経外科学会専門医、日本てんかん学会専門医(評議員)

★難治性てんかんの治療:
世の中には、およそ100人に1人の割合でてんかんを持つ人がいると言われています。この数字を見ると、患者さんの多さに驚かれるかもしれません。ただし、てんかん患者さんのタイプは実にさまざまです。生まれると同時にてんかんの発作が始まる人もいれば、高齢になって初めててんかん発作を経験する人もいます。一生のうちに数回しか発作が起こらない人もいれば、毎日数百回の発作がある人もいます。

多くの人は、少量の薬をきちんと飲んでいれば発作が起きません。てんかん発作を抑える薬(抗てんかん薬)にはいろいろな種類があり、現在も新薬の開発が続けられています。しかし、抗てんかん薬も万能ではありません。残念ながら約3割の人では、薬をきちんと飲んでいるにもかかわらず、発作を止めきれないのです。また、薬の副作用がほかの人よりも強く出てしまうために、有効な抗てんかん薬を飲めない人もいます。

このサイトでは、このような薬剤抵抗性てんかん(難治性てんかん)に関する情報や治療法を、専門医が解説します。日本では患者さんの数に比して、てんかん専門医の数は限られています(専門医一覧はこちらから )。
薬剤抵抗性てんかんに対する外科治療を専門とする脳神経外科医の数はさらに限られています。一方、抗てんかん薬の処方はどこの病院でも、どの科の医師でもできます。このことは患者さんにとって、とても便利である反面、有効でない薬、時には有害な薬が漫然と処方され続ける危険をはらんでいます。薬を飲んでいるにもかかわらず止まらないてんかんの発作に悩んでいる方は、是非一度専門医を受診されることをお勧めします。

このサイトの情報が、難治性てんかんでお悩みの方やご家族にとって、少しでも助けになることを願ってやみません。(※下記ホームページより)
(※詳細は、ホームページでご確認ください⇒http://plaza.umin.ac.jp/~kenkawai/


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